2月19日(木)
手に入った旅行クーポンを使って今日は高野山の「大円院」と23日に川湯温泉「木の国ホテル」と29日に吉野「さこや」の宿を予約しての出発だ。川湯温泉までは問題なく行けるだろうが雪の状態では29日の吉野「さこや」まで予定通り行くのは難しい可能性がある。その場合は残りの日程を考えて途中から下山し交通機関を使って吉野まで行くつもりだ。
装備もアイゼン・ワカン・スノースコップの柄を除いた刃の部分・レキのストックを携行する。スノースコップの柄の代わりにいざという時はレキのストックを何とか代用しようと考えている。靴は本来なら雪山用のシリオ・ゴアテックスのPF-820-GTXにすべき所だがこの靴は足首が長く歩きにくいので防水や防寒面でスパッツを冬用のしっかりしたペツルのものにしてスピード重視でこの間買ったシリオ・ゴアテックスのPF-422-GTXにする。
JR六甲道を12:37に乗り環状線のJR新今宮(13:15)経由で南海新今宮(13:43)から特急「こうや5号」で高野山に向かう。ザック重量は23kg超で今まで大峰山奥駆けで最も重かった18kgより5kg以上も重い。ザック重量が重くなった分以上に増えたようだが担ぎ易くなったのも事実だ。
高野山に着いて4分後と案内のあったバスが前回のように駅前中央におらず出発してから乗り過ごした事に気付く。バス停留所が別にあったのだ。次のバスまで1時間若程あったので歩いて大円院に向かう。途中総本山「金剛峯寺」に立ち寄る。大円院はガラガラで恐らく宿泊者は私以外1人だけだろう。
夕食は隣室に用意してくれる。明日できるだけ早く出立したいので朝食は何時にできるかと仲井相当の若い坊主に聞くとおかみに聞いてくるといって6:30の返事だったので6:00に出立したいと言うとOKの返事が帰って来た。部屋の気温は6゚Cで寝る前に石油ストーブを持って来た。商売気が無い宿坊だった。
2月20日(金)
朝の室内気温は暖房は入れずに6゚Cで暖かい。大円院の朝食は予定より10分準備が遅れた上、湯豆腐のたれが付いておらずトラブって出立は6:23になった。この前迷った金剛三昧院の石の門を入らず右手に折れる。今日は伯母子岳山小屋まで行って泊まる予定だ。左足首の靴の入口の輪に当たらない対策としてスポンジ銀マットを切って直径2.5cm程の穴を開けたものを当たったら痛い所を穴の部分になるように張り付ける。この結果殆ど痛みは出なかった。
重量がかなり重いので厳しいし新しい、ザックなのでベルトの締め方の要領が判らず最初は苦しかった。オスプレイのザックは腰ベルトがピッタリで締め易く最初はできるだけ腰に荷重をかけるように締めて肩のベルトは緩めて胸のベルトは締めなかった。締め過ぎと荷重で次第に大腿上部横と腰横の間の筋肉が辛くなって来る。次に肩にも荷重が分散できるように肩のベルトもしっかり締めると少し楽になる。次に胸ベルトも締めると更に楽になる。色々やって伯母子岳山小屋に近付く頃にやっと3つの締めかたのバランスが判ってきた。
バランス良く締めると重量が重く長時間でも少し楽に歩けるようになった。今日は1日中完璧な快晴だった。前回正月より雪は多く5〜10cmズボっと入る事も多く疲れる。雪が多くなって来た伯母子岳への登り途中でバランス補助にストックを出して雪面用のつばに交換して使い始める。高野山の金剛三眛院を前回より1時間半以上早く出たにも拘わらず雪と荷重の影響で小屋到着は16:55と前回よりも5分早い到着になる遅いペースだった。
2月21日(土)
伯母子岳山小屋を6:00に出発する。今日はどこで泊まるかが問題だ。最悪はこの前の川原だ。今日も天気は良さそうだが三田谷方面にはトレース跡が無い。丁度北面の山腹の雪が溶けずに残っており東面から南面の斜面は雪が溶けて無い。雪質は中途半端で5cmから15cm一歩ずつズボっと入る程度で表面は殆ど凍っていないが雪渓のように締まっていないのでアイゼンは着けずに下る。
傾斜のきつい雪面のトラバースは緊張する。また上西家手前の迂回路設置場所迂回するのも面倒なので直進したが土砂崩落で道は完璧にさらさらの土砂で覆われてステップを作りながらの通過は緊張した。体は少し重みに慣れて来たのか昨日よりましになって来た。しかし荷重のため次第に両足の裏全体がじわっと痛くなり両小指第2関節の膨らんだ所が痛くなって来る。でも前回の足首の痛みとは比較にならない位楽だ。
今日は気温が高く腕まくりをする程で額から汗がポタポタ落ちる。昨日は水は2Lで余裕だったが今日はぎりぎりだ。三浦峠の登りの途中で建物を見付ける。恐らく林業用宿泊施設のようだが入口の鍵は外れていて錆びて朽ち果てており壁もあちこち穴が開いている。毛布が新しそうなのが2枚散らかっていてアンバランスな感じだが雨風を凌ぐ泊まりには十分だ。まだ12時だが川原に泊まるよりここに泊まろうかという誘惑に駆られる。明日は天気が崩れる予報なのでできるだけ先に進んでおくべきだと判断する。
ラジオを聞くと今日は奈良南部と和歌山は午後から10%18時から20%の降雨確率だそうで明日はもっと悪くなるようだ。三浦峠からの下りで前回西中への新道への分岐標識があった手前(742mピーク手前)で尾根筋に登る分岐路が小辺路という標識が見付かった。この標識は前回は無かったので気付かなかった。でもこの道は前回の道と合流しており今西集落展望地を通っている。人家(矢倉?)に出てこの前おじいさんに聞いた時判らなかった小辺路がこの前と同じ道を下ると直ぐ標識が見付かった。
この前には気付かなかっただけだった。聞いたおじいさんを責められなかったのだ。これで小辺路の道がつながった。これは良かったが今日はどこで泊まろうかと考えながら西中バス停を過ぎるがやはり適当な所が無い。水場が近く人の目に付かず道路から少しは離れている所となるとやはり川原しか無い。16:18に川原に着く。未だ明るいがテントを張る。
左の踵がチクチクしていたのは何だろうと靴下を脱ぐと踵クッションの材料が分離していて隙間ができており多分その部分にあたる所だろう小さくプツンとしたマメができていたので踵クッションを脱ぐ。夜中にラジオでは明日は近畿南部では朝から雨の確率が50%と言っているが夜中に小キジに起きると既に雨が降っていた。再び天気予報を聞くと寒冷前線通過のため明日は1日中(特に午後)雨だそうなので明日の果無越えは中止と決心する。
2月22日(日)
朝4時過ぎに目覚める。ずっと雨が降っていた。今日は日曜日なのでバスの「日祝日運行」は玉垣内が9:00である。早く起きる必要はないので5時過ぎまでうとうとする。玉垣内に早めにバスを待っていると9:04頃にやっとバスが来たら見過ごされそうになったが黄色い雨具を着ていて手を振ったのでやっと気付いてくれた。危ない所だった。
時間待ちをゆっくりできる終点の十津川温泉まで乗る。本宮方面のバスは13:38まで無く4時間程もある。バス待合い所でこの日記をつけて時間を潰す。ようやく来たバスで湯の峰温泉「まるや」に向かう。ここは1泊2食付きで6,000円で安い。この前の正月は満杯で断られたので「てるてや」になったのだが今回は取れた。値段の割りに「てるてや」より食事内容は良かった。
昨日まで左足首のこすれ防止当てパッチ辺りがチクチクするのは何だろうと思っていたが風呂に入る前にパッチ当てを外すとパッチ当てを固定しているテーピングテープの端と皮膚の境目に血の跡が見受けられた。どうやらテーピングテープの固定の仕方が縦中心に張ったため皮膚が引っ張られる方向に力がかかったのだろう。明後日からはテーピングテープの固定の仕方を横(円周方向)に張ろうと思う。今日は1日中雨で時々強く降ったりで風が強かった。 |