六甲全山縦走27 H11.11.23
(以前からずっとザウルスに記載していた日記より、そのまま転載)
所要時間:11時間01分.本日は今年2回目の神戸市主催の六甲全山縦走大会で今日は正式参加だ.予約していた会社の須磨保養所に昨日から泊まる.先週の大会の時には3時15分に須磨浦公園に着いたという夫婦で15〜16番目位だったので,自由に自分のペースで歩くために,できれば3時には須磨浦公園に着いていたい. 夜中の1時10分に起き筋肉の準備としてチタン入り「ファイテン・パワーテープ」(丸シール)を張り「ファイルド・ファイテン・イン・クリーム」を擦り込む.靴擦れ対策にディクトンスポーツを擦り込み,靴擦れ箇所にバンドエイドの「クッションズ・フォー・フィート」を張り,踵にクッションサポーターを着け,カッパの高機能ロングタイツを履き,アディダスのトレイルシューズを履く等,考えられる万全の態勢で須磨保養所を2時45分出発する.準備に手間取り,予定の2時15分出発よりかなり遅れる. 国道2号線を歩いていると結構タクシーが通る.須磨浦公園まで約2kmなので歩けば30分で公園に着くが,予定通り3時に着きたいのでタクシーに乗る(650円).3時に着くと既に4人がいた.先頭の男性は2時に来たそうでビニールシートの上に横になって寝ている.あと夫婦と70歳位の男性だ.毎年来ている夫婦によれば今年の人の集まり具合は遅いそうだ.3時30分でも30人位で4時頃でようやく100人程になった.準備していた三脚椅子に座って5時を待つ.スタート地点の横にある男性用大便トイレは1つしかない. 今朝も気温は暖かい.今日は(2.5リットルの茶:何も入れない+2.5リットルのエネルゲン,ビタミンC[アスコルビン酸]を溶かして入れる)=5Kgの水分を携帯したが朝の飲食でバナナ3本,おにぎり3個,VAAM(バーム)携帯チューブ1本,各種栄養剤を飲んで喉が渇いたので茶ばかり飲んでしまい,摩耶山登り途中で茶がなくなる.エネルゲンの方は濃いので珍しく飲む気にならない.今日も疲労対策やパワー注入として,事前に@プロテインサプリメント:森永製菓のウィダー:マッスル・フィット・プロテイン80A明治製菓のVAAM(バーム)缶B明治製菓のザバス:アミノ2000(タブレット)CグリコのクレアチンパウダーD無臭ニンニクEラッキョFウメボシ等を採る.縦走中用に@VAAM(バーム)携帯チューブゼリーAマルチバランス栄養食ZAVASパーフェクトバーBマルチバランス栄養食ZAVASパーフェクトプラスC明治製菓のザバス:アミノ2000(タブレット)Dウメボシ入りおにぎりEレーズンFバランス栄養食グリコの「毎日果実」を持参する. (結局ACEFは食べず) いよいよ5時のスタートだ.準備万端だが唯一膝の調子が不安だ.先週より多分膝の調子はましだろう.先週も膝の不安を抱えながら,もそこそこの時間で完走できたので,できればトップグループに着いていきたいと安易に考えていた.しかしいざ歩き始めると,先週は下りにだけ痛みが出たが,今回鉢伏山への登り階段でも痛みが出るではないか.愕然とする. 結果的に記録を見ると先週より登りスピードは鉢伏山まで1分早い.ヘッドランプで旗振茶屋までの平坦地を早足で歩いていると,木の根っこに引っ掛かり前につんのめる.幸い両手のひらで受け右膝を軽く打つだけで済んだ.まだ体が慣れていない間にも拘わらず自然に頑張ってしまっているのだろう.左膝をカバーするために自然と右足に負担が重くなる.自信のある太ももの筋肉が次第に張ってくる.まるで初めて登山しているように足が疲労困憊した状態になってくる.これはいつもと違う!と思うが原因はよく判らない.高取山の登りになると益々ひどくなる.普段の六甲全山縦走と決定的に違う事をしているからこのような事態が発生したと考えるのが自然である. 最初に感覚的に思ったことは,タイツで足が締め付けられるので,血行不良により酸素供給に支障が来たしているのだと思った.(タイツを履いている時は多少この面もあるかもしれない)高取山神社でタイツを脱ぐ.脱いだ時は多少スッとしたが,歩き始めると余り症状は変わらない.タイツを脱いで気付いたのは下半身も大量の汗をかいており,濡れても目立たないメスナーの鴬色のズボンが膝上までぐっしょりと濡れている.上半身も普段以上の濡れ方である.(後で考えると本日は天気が悪く湿度が高かったため乾き難かったためともえられる)自覚症状はないが余程体調が悪いのではないかと思う.菊水山や摩耶山に登れるのかと不安である.菊水山の登り口の木の長椅子でおにぎりを食べて気合を入れる.しかし全くスピードは出ずトロトロ登る.何人も追い越される.普段なら逆に何人も追い越す所なのに.次第に右足の太ももや膝上の内側の筋肉が過労の症状で痛みが出始める. 登りでも左足はできるだけ真っすぐに伸ばした状態から曲げる方が痛みが出ないので変な足の使い方になっており,太ももの裏側の筋肉(すじも?)までがつり始める.この筋肉がつるのは初めてだ.余程普段と違う歩き方をしているのだろう.ここに至ると筋肉の異常状態はもはやタイツの影響というより左膝が原因の歩き方に起因しているとしか考えられなくなってきた.菊水山の山頂は大勢の人が休憩している.全てが全縦の人ではなさそうである.下の麓で休憩を取ったのでここは素通りしてすぐ下る.左膝をカバーし続けてきた上に下りになると,ついに右膝もピリッと来始める.これはやばい.両足とも膝をやられればリタイアしかない.慎重に下る. 鍋蓋山の登りもひどいものである.トロトロペースである.ここでも何人も追い抜かれる.大竜寺への緩い下り坂になっても,とても走れる状態に思えない.しかしこれだけスローペースでも妙法寺の小学校のチェックポイントの受付開始15分後に通過し,大竜寺チェックポイントでは受付開始3分後で通過している.また,自分の計画表の予定に比べて少しづつ遅れてきてはいるが結果的には悪くないタイムである.このタイムだけが最後まで完走しようという気力の元である. 大竜寺の門前ではみかんやバナナの他,恒例の豚汁が一杯300円で売られている.出発前は魅力的に思っていたが朝多く食べて腹一杯の気分なので食べる気がしなかった.市ケ原へは恐る恐る試しに走ってみる.ねじれるような着地をしないように注意すれば何とか走れそうである.摩耶山は最後の難関である.桜茶屋の所は休まず歩き続ける. 雨がパラパラ来る.天狗尾根入口に来ると本降りの様相なのでザックカバーをかけ傘をさす.しかし暫すると止む.相変わらずスローペースだがコンスタントに登り続ける.市ケ原から1時間26分もかかって11時40分にようやくの思いで山頂広場に着く. ホットレモンサービスを何杯も飲もうと思っていたが,頂上手前から腹が減っていたので残りのおにぎりを食べたり,バームゼリーを飲んだりしたら腹1杯になり,それ以上飲めなかった.役員が言っていたがホットレモンは大会参加者だけでなく摩耶山登山者総てに振る舞っているそうだ. 自然の家付近から三国ケ池方面の登りで左足が登りに使えるようになってきた.何だか急にスピードが上がり気分も壮快になる.神戸ゴルフクラブのチェックポイントで受付開始4分後に,東六甲分岐点のチェックポイントで受付開始8分後に到着し不調の割りにスムースだ.神戸ゴルフクラブや東六甲分岐点では,ヘッドランプの点検はなかった.早い方だからだろうか.東六甲分岐点で完走認定書引き換え券の部分に555という数字をホッチキスで止められる.555番目の通過なのだろうか.感覚的には100番目以内だろうと思うのだが・・・. ここからの時間を計算すると普段のスピードなら2時間以内で宝塚に着けて受付開始前の16時頃にゴールできて,先着の面々の様子を見ることができるのだが,今日の調子では2時間半くらいで到着するだろう.そうならば本日全てのチェックポイントをほぼ受付開始直後に到着したペースになり,11時間30分のタイムになる. 船坂峠までは段差が大きい下りが多いのでスピードは上がらないが峠を越えると緩い下り坂が徐々に出現する.この頃から雨がパラパラ降り出す.この頃からペースも徐々にあがり始める.太平山登り口からの舗装道路でも他の参加者を気にしながら走る.船坂峠まで追い抜いて行った人を再び追い抜き返すような格好になる.先頭グループなら別だがこのあたりを歩いている人はここに来て走る気力のある人はなさそうだ.中には疲れ切ってショボショボ歩いている人もいる.大谷乗越手前から一般登山者が大勢現れるが,どんどん追い抜く.塩尾寺以降もゆっくりだがずっと走る. 宝塚ゴールに着くと何と16時01分だ.まだ受付開始まで29分もあるのに,受付が開始されているではないか.雨が少しきつくなり始めたから,受付を早めて4時からにしたのだろう.私も列に並ぶ.列は15人くらいだったが既に何人受付を終えたのかは判らない.周囲に散らばってザックに認定証や記念品を直している人も加えても,完走者の数の雰囲気は50人もいない感じだ. 認定証等を受け取ってすぐ駅に向かうが完走者らしき人は付近に2〜3人しか見かけなかった.今日は悪夢の1日だった.3年越し(一昨年は,申み込みをしようと思った時は受付時期の8月を過ぎており,昨年は転倒負傷して参加できず)の念願が取り敢えず果たせたが,本来の自分のペースでトップグループを意識して(世の中には速い人が多く,その人達がどんな調子で歩くのかを肌で感じたいので,ある程度のスピードで付いて行って頑張るというイメージだったのが)速いスピードで歩けなかった無念さが混ざった複雑な気分である. |
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