六甲全山縦走31 H12.01.15
(以前からずっとザウルスに記載していた日記より、そのまま転載)



 所要時間:8時間55分.不可能だと思っていた8時間台の自己最高記録が更新できた!
 朝の部屋の気温は13゚Cで暖かい.天気は曇で,たまに晴.昨日飲みに行ったため午前零時頃に寝る.明け方4時前に目が覚めて寝られない.

 昨日は夜が明けてからの出発を考えていた.日の出が7時6分で明るくなるのはその20分前の6時45分頃だから逆算すればJR六甲道を6:00頃つまり5:57に乗ればよいことになる.しかし早く起き過ぎたのでゆっくりしたが結局JR六甲道を始発の5:29に乗った.途中の準備が良かったので須磨浦公園を6:15にスタートできた.

 今日も(1.0リットルの茶+2.0リットルのエネルゲン)=3Kgの水分を携帯したがきっちり消費した.今日はよく走ったので最後は不足気味であった.今日は膝の調子は良く全く問題はなかったので快調に走れた.

 山陽電車を降りると40前後のペアも降りてきた.準備をしているとペアは先にスタートした.女性は空身で男性が小さなザックを背負っていた.彼らは大会のスタート地点の方に回っていったが,こちらは近道の直登ルートをとったため結局合流地点では僅差で追い越してしまっていた.ゆっくり進み彼らの出方を待った.ジワジワ近付いてくるが追い越す雰囲気はない.夜明け前でまだ真っ暗だ.こちらはヘッドランプを着けて照らしているが彼らはライトを持っていない.鉢伏山への本格的登り階段手前で私を追い越す雰囲気が出てきたので後で追い越すのも面倒だからスピードを上げた.するとスピード的にはもう追い越せないようだ.でも女性がいるのにそこそこ着いてこれるのは大したものだと思う.彼らは多分夫婦だろうが羨ましい限りだ.旗振茶屋までは近くにいたが休まず歩くと気配が消えた.

 今日は筋肉の調子も良さそうだ.登りでそこそこのスピードを出してもいけそうだ.よく考えると最近はいつも六甲全山縦走する前にトレーニングで疲れが相当残っている状態だったのではないか,と思う位体調が良い.確かに今週は月曜に走っただけで4日間走っていない.とりあえず無理しない程度に頑張って様子を見ることとする.通常は横尾山まで1時間程度だから1時間1分の今日は特別のペースでもない.須磨アルプスの馬の背を越えたあたりで後ろを振り返ると先程の夫婦の姿が現れた.全山かどうかは判らないがやはり縦走のようだ.以降姿は見かけなかった.

 横尾団地への下りで走っても膝の調子も良い.スピードが出せる.横尾団地から妙法寺の間もそこそこ走る.高取山の登りも快調だ.調子の良い時の登りのペースを思い出してきた.高取山の下りも膝を気にせず走れる.しかし右足の足底のアーチの痛みが出始めた.足底筋膜炎だろうか.少し気になるがなんとか持つだろうと思う.烏原から菊水山登り手前まで水平なところはそこそこ走れた.ザックを背負った人がぽつぽつ現れる.意識できる人が出てきたのだ.次々追い越して行く.菊水山の登りでも3組程追い抜いた.

 意識できる人つまり目標があるのはペースを上げるにはいいものだ.今日は最近になく全コース全般に人が多かった.天王吊り橋への下りも鍋蓋山の登りも快調だ.大龍寺への下りで須磨のコンビニで買ったおにぎり1個とアップルパイ1個を歩きながら食べる.市ガ原への下りも快調に飛ばすが足底筋膜?が痛くて気になる.

 市ガ原のトイレで小キジを撃ってすぐ出発する.摩耶山の登りは最後の大きい登りなので頑張ろうと思う.今日の記録用紙はたまたま過去最高を出した時のものを使っているのでその時の摩耶山登り時間を見ると64分と65分だ.ロスタイムの小キジの1分を加えて66分位で登れると最高なんだがなあと思いながら登る.稲妻坂にさしかかると中高年の団体がゆっくり登り始める所だった.細い道になる前に追い越しておかなければ大変だと思いスピードを上げて別ルートから追い越すことができた.先を見るとまだ単独者がポツポツ見える.これも次々追い越して行った.少しオーバーペースかなと思う程ふとももの筋肉の疲労感が強まる.右足の付け根の外側のやや前方が足を上げる度に痛む.いつも疲労感が強い所はチタンシールを貼っているためか問題無い.でもあまりペースを落とさず登り,平坦道や下りはどんどん走った.山頂広場の鞠星台に着くと68分もかかっていた.これだけ頑張っても68分なので64分で登った時はすごかったんだなあと感心してしまう.

 いつものように自動販売機でアイスクリームを買って今日初めて座って4分休憩した.アゴニー坂を下りきると,いよいよ厭なアスファルト道路だ.自然の家から三国池手前まで等たまに地道があるが東六甲分岐点まで殆どアスファルト(コンクリートの気分)だ.足底筋膜が痛いのが本格的に気になる.足裏全体もジンジンする.いつもの靴擦れの所にはバンドエイド「クッションズ・フォー・フィート」を貼っているのでさすがに靴擦れの痛みは無い.これだけは助かる.4枚で530円つまり1回分265円と,高いがこれからも全山縦走には欠かせないアイテムの1つだろう.痛みも決定的ではないので出来るだけ平坦地や下りは走る.

 記念碑台に近付いた時に凌雲台で最近の定番になっているラーメンを食べる事を考え始めたが「まてよ,ひょっとして新記録がまだ狙える可能性もあるのではないか」という気がして歩きながら記録用紙を見て計算すると5月5日の記録と比べて何と現在既に10分程早いではないか.がぜんやる気が起きてきた.これならラーメンどころではない.一昨年5月以来,9時間18〜19分を越える記録は何回挑戦してもできなかった.年令による衰えがトレーニングによる強化より強くて今後も新記録は無理かなと諦めかけていた.久々の本格的挑戦ができるのだ.

 凌雲台も過ぎ,頑張って一軒茶屋が近付いた頃ふと先程計算したのは間違っていないのかなと疑問の心が芽生え始めた.それまで個々の区間の所要時間を過去の記録と比べてきたが過去より早く行けた区間は殆ど記憶に無く,むしろやや遅い区間の記憶の方が多かったからだ.もう1度記録を計算したがやはり間違いない.腕時計(セイコーパルスグラフ)では記念碑台までのトータル時間が6時間28分を表示しており5月5日の記録では6時間39分かかっている.正確には11分早いことになる.

 まてよ,それでは同じ記録用紙にある3月15日の記録と比べればどうなんだという疑問が出てきた.よく見ると3月15日は出発時間が本日より5分早いだけではないか.現在時刻から5分引けばそのまま比較できる.凌雲台で時計が13時4分だから5分引いた12時59分と3月15日の記録13時14分と比べてこちらも15分も早い.このようにきっちり頭で計算していると,ふと「頑張ればひょっとすれば最近は不可能だと思っていた夢の8時間台も可能かも」という気がしてきた.

 一軒茶屋でタイムを再確認してみたが3月15日より17分早い.9時間を切ろうとすれば3月15日の9時間18分より18分以上短縮できなければならないが現在17分しか短縮できていない.3月15日の記録を見ると塩尾寺で8分休憩している.計算上では17+8-18=7分だけ余裕があることになる.しかし塩尾寺から宝塚ゴールまで僅か15分しかかかっていないのだから結構厳しい.ともかく気合を入れて思い切り頑張ることにする.

 東六甲分岐点からようやく地道になり足裏が楽になるが相変わらず足の付け根と足底筋膜が痛い.ともかく走れそうな所は走りに走る.小石や岩が少なく下り傾斜が緩く走り易い所はスピードが出せる.太平山登り口までの途中で大学生10人位の団体と出会う.こちらが下りなので待つ間に2分ロスする.太平山登り口からのNTT取付け道路は全て走る.足は重いが頑張る.大谷乗越手前の急階段でも膝の調子はまだ悪くなっておらず手摺りを使わず自力のペースで下れる.

 3月15日と比較している余裕はない.所要時間の比較しかできない.太平山登り口まではやや早く,大谷乗越までは同タイムで記録更新は何とも言えない状態だ.塩尾寺まで31分以内で行かなければならない所が途中小石につまずいてころんでしまう.幸い右肱で受けたので顔面には支障がなかった.しかし左ふくらはぎの筋肉が痙攣してしまった.ゆっくり起き上がって筋肉をほぐす.何とかなりそうだ.でも2分位はロスしてしまった.それでも塩尾寺には目標の31分より早い30分で到達できた.

 腕時計を見ると8時間42分経過している.宝塚ゴールまで後18分しかない.過去最高の時で15分かかっている.途中アスファルト道で走って下るか近道の地道にするか迷ったが結局走れるアスファルト道を選んだ.結果的に間違いではなかった.14分少々で宝塚ゴールに到着できた.8時間57分で新記録達成だ!バンザイ!!! 途中仕事の用事で電話した2分のロスタイムは下界の事なのでさっ引くと8時間55分の記録となる.再び記録を狙うにしても8時間台でさえかなり難しいと思うが,これ以上記録を短縮しようと思えば最初から意識して全般に走るスピードをもっと上げ続ける必要がある.でも余程体調が良くない限り無理だろう.

 振り返ると本日は途中で大キジもしたくならなかったし,睡眠不足であった筈だが調子が良く,最後は緊張感があり問題は全く感じなかった.また最近のトレーニングが効いているのか後半の走りにパワー不足は感じなかった.初めて発生した足底筋膜の痛さが少し出たが帰宅後休むと痛みはすぐに収まった.膝の問題もなかったのでそこそこ快調に走れた.最初から少し気になっていた左足首がある角度(ひねる感じ)になると痛む点については結果的に全く問題にはならなかた.今回非常に良かったのは出だしから意識できる人が現れたことだ.高取山だけは現れなかったが,鉢伏山・400階段・横尾山・菊水山・鍋蓋山・摩耶山の登りで全て現れた.また下りで走る場合,特に後半の東六甲では人が邪魔になるケースは学生パーティの1回だけであった.

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