六甲全山縦走37 H12.06.10
(以前からずっとザウルスに記載していた日記より、そのまま転載)
所要時間:11時間08分。天気は一日中曇り。飲み会で寝たのは12時頃になった。思ったより早い朝5時前に目が覚めたが準備が十分でなかったので始発より1台遅いJR六甲道を5:57に乗り、須磨浦公園を6:30にスタートする。今日は(1リットルの茶+2.5リットルのエネルゲン)=3.5Kgの水分と350ccの凍らせたエネルゲンを携帯した。前回の反省から昨日はジョギングを休んで体力温存した。今までの実績で考えると、1日の休息では疲れの除去には短いかも知れない。最悪完走狙いだ。 須磨浦公園では同じ電車から縦走者らしき人は降りて来なかった。今日も目標不足の日になりそうだなと思いながら出発する。最初の階段の登り始めから調子はそう良くない。鉢伏山から旗振山・高倉台への下りでは何とか走るが(自然に走り出す所や勾配の緩い下りの所)頭の芯が眠い。 高倉台の団地を過ぎて後ろから追い付いて来る足音が聞こえた。振り返ると女性のジョガーのようだ。暫くして小刻みのピッチでゆっくり追い越して行ったがその時観察すると50代のようだ。ザックを背負いタイツをはいている。400階段手前の陸橋の下りで私も自然に走ると距離が縮まる。400階段の下に着くと彼女が歩いて登っているのが近くに見える。スピードはそんなに早くないので目標として意識し始める。階段を登っていると距離は縮まらない。むしろ開いていっているようだ。横尾山では目標の1時間より8分遅れである。須磨アルプスが見渡せるポイントに着くと彼女の姿がようやく見付けられたが相当距離が離れている。調子の良い時なら着いて行けていただろうが今回は無理のようだ。 それでも横尾団地への下りはそこそこ走る。妙法寺交差点の店で今日もアイスキャンデーを買う。登り易い高取山はピッチが上がらない。眠い。高取山神社でウトウトしようと思う。しかし神社では人が多く寝る状態ではない。諦めて下り、潮見茶屋崩壊で新しく六甲全山縦走ルートになった公園のベンチで横になる。人の通行が多いのと虫が飛びまわり、腕が何かに刺されたので10分で諦めて起きる。スッキリしない。高取山の下りは走る気持ちが失せていた。 鵯越駅手前のコンビニでもアイスキャンデーを買う。烏原あたりではどこでリタイアするかを考え始める。菊水山には非常にゆっくり登る。菊水山頂で休んで千尋の作ってくれたパン2個とおにぎり1個を食べる。市が原まで目標となる人は現れなかったが新神戸に下ろうとまでは思わなかった。体力強化トレーニングのためにはせめて摩耶山を登ってからリタイアすれば良いという気持ちが強かったからだ。今日は市が原の河原には大勢の人がいた。 黒岩尾根への入り口まで目標と期待した人もトウェンティクロスの方にそれて行った。摩耶山へも非常にゆっくり登った。摩耶山頂でゆっくり横になってウトウトしようとしたが汗で塗れた衣類で寒くて結局横になれなかった。仕方なく19分休憩後出発する。いつもと逆で道路に出たあたりから元気が出始めてしっかり歩き始める。今日はどこまで行こうか、どこでリタイアしようかそれとなく考える。しかし体調が良くなって来たので深層では完走する事を前提に考え始めていたようだ。 丁字ケ辻ではいつものように兵庫県警の一旦停止ねずみ取りのをやっている。六甲山小学校に来ると大勢の若者がおり、10数名が見送りし、10数名が出発しかけている所であった。タイミング的に集団に飲み込まれてしまった。彼らは赤いジャージを着た体育会系の集団で「頑張ってこいよー」と見送られているのでこれから大変な事を始める感じだ。集団の中だと歩きにくいのでスピードを上げてみると特にこちらを意識する様子も無いので、追い抜いて先に進む。 暫くすると先程の集団の中の1人の男性と2人の女性が早足で追い越して行く。男性は後ろを振り返りながら集団に「お前らチンタラするな」と怒鳴りながら「走るぞ」と2人の女性に言うなり走り出した。女性は「本気なの」と言いながらも付いて行く。ジャージの文字を見ると「競技スキー」とか「国体代表」とかが見える。走るスピードは平坦にも拘らずゆっくりだ。こちらはスタスタ快調に歩いているが後続部隊は追い付いて来る気配は無い。どうなっているのだろう。 だんだん面白くなってきた。神戸ゴルフ倶楽部を越えて凌雲台への下りで走って道路に出ると3人の姿が見えた。凌雲台手前の階段も歩いて登っている。私も今日はペースは早くないのでそれ程距離は縮まらないが姿が見えるのは目標となる。凌雲台に着くと彼らは後続を待っているようで停止している。私は調子が良くなって来た事もあり、いつも通りラーメンを食べるのを止めて休まず進む。いつも猪がいる所を過ぎて少しすると彼らの内4人が互いに運動クラブの「ファイト」という掛け声を掛けながら走って追い越して行く。嬉しくなって来る。これは目標になる!。 ジャージをよく見ると兵庫医科大と書いてある。どうやら兵庫医大のスキークラブの合同トレーニングのようだ。紅葉谷分岐の道路に着くと、少し先に4人は歩いている。ずっと走る気はないのだ。下りを走るとすぐ追い付きそうになる。暫くすぐ後ろを付いて行くが下りでは追い越しそうになる。暫くジリジリするが向こうは体育会だから抜きつ抜かれつするのはこちらが参ってしまうだろう。しかし一向に走り出しそうにない。下りで意を決して走って追い越す。追い付いてくる気配はない。最高峰手前でいつものように道路を離れて山道に入る。こちらの方が近道だし楽だ。一軒茶屋手前で再び道路に出ると走っているのだろう、遠くに「ファイト」という声が聞こえる。その内に追い付かれるだろうと思う。 鉢巻山トンネルを越えると集団と同じジャージを着た若者2人に追い付く。最初はいつの間に追い越されたのかと思っていたが、どうやら最初から先にいた人だと思うようになる。下りで走ってこの2人も追い越してしまうが,遠く東六甲分岐点辺りからは「ファイト」という声が徐々に近付いて来る。こちらも可能な所は走る。船坂峠手前で立ち止まってガーゼを絞っていると彼らの姿がすぐそばに見えた。すぐ再スタートする。追い付いてくるかなと思ったが追い付いて来ない。 太平山登り口から快調に飛ばす。大谷乗越までもそこそこ飛ばすが誰も着いてくる気配は無い。途中何人か追い越すが意識外の人ばかりである。塩尾寺に着いても「ファイト」の声は聞こえない。塩尾寺下まで来ると六甲山小学校での送りメンバーらしき集団が待っている。そこを通り過ぎようとしたら彼らが「ファイト」と大声を出し始める。遠くで「ファイト」の声が聞こえる。どうやら道路の遠くに集団を発見したのかも知れない。 本当は体育会と引けを取らずに到着できたという確認をしたかったがそのまま道路を駆け足で下る。少なくともスキー体育会の若者のレベルと比べてそこそこのペースで来られたのだという満足感を抱きながらゴールへ向かった。闘争心という魔物があるおかげで後半は筋肉痛も無く楽しく縦走出来た。前半と比べると大違いである。 |
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