六甲全山縦走46 H12.11.12
(以前からずっとザウルスに記載していた日記より、そのまま転載)



 所要時間:10時間39分。神戸市主催の六甲全山縦走大会は今回で2回目だ。夜中の12時頃に目が覚める。その後もうとうとするが寝られないので1時頃に起きる。

 朝食として寿司とおにぎり1個、バナナ2本を食べ、疲労対策やパワー注入として@プロテインサプリメント:森永製菓のウィダー:マッスル・フィット・プロテイン80A明治製菓のザバス:アミノ2000(タブレット)BラッキョウCメボシ等も採る。踵にクッションサポーターを着けリーボックのトレイルシューズを履く。今日は(やや凍らせた2.5リットルの茶+やや凍らせた2.5リットルのエネルゲン:ビタミンCとスピードパウダーと塩を溶かして入れる)=5Kgの水分とおにぎり2個とアミノバイタル粉末ステック4本とザバスアミノ2000数十粒とバームゼリーを2本とハイチュウ・マーブルチョコレート各1本を携帯する。

 会社保養所を予定通りの2時16分出発する。起きた時間のAM1時は結果的には決して早くはなかった。国道2号線を歩いていると結構タクシーが通る。須磨浦公園まで約2kmを約30分歩いて2時46分に公園に着く。受付テントの手前にあつかましくも歩道上に4人用テントを張って、中で1人が寝ている。外には2人が先客でいた。先頭の2人の男性は2時過ぎに来たそうだ。3時30分で50人位で4時頃では300人程になった。口々に毎年出足が早くなっているのではという声が聞こえてくる。

 準備していた三脚椅子に座っ5時を待つ。今朝は涼しくじっとしていると寒いので手袋をはめ持って来た薄いジャンパーを着る。出発前にバナナ2本とバームゼリーを1本飲む。定刻5時きっちりに受付を開始する。2列に並ぶので2番目に印を押してもらって出発だ。準備万端だが大峰奥駆けで変になった膝の調子が不安だ。最初はスピードを押さえてマイペースで行こうと思う。初めだけはスピードを出す人は居ないのでマイペースで進める。

 しかし階段の辺りになって来るとまるで軽快に走るようなすごいスピードで登る人達(2〜3人だけだが:結局この人はゴールでも全て5番以内にいた)が追い越して行く。想像はしていたが世の中にはすごい人達がいるものだと目の前で実感できた。最初からトップグループに居たから(現在トップから5番目を歩いているという意味で)自分の位置がはっきり分かる。最初はマイペースで行こうと思っていたので次第に追い抜かれる。

 8人程追い抜かれた須磨浦公園から鉢伏山への階段の中間地点で追い付いて来た人をふと見ると中年の女性ではないか。おっとっと、という気分だ。強く意識した訳では無いが知らぬ間に競争心が出て来たのだろうか、または自然にそうなったのか追い抜かれ無かった。しかし8時間55分の過去最高記録を出した時に比べて2分も早く14分で鉢伏山のポイントに到着しているのはやはり周囲の影響を受けて自然にスピードが出ているのだろう。

 最初に頑張り過ぎると後から筋肉に異常を来すのが判っているのでまず最初はスピードを自重しなければならないのは頭では十分判っているのだが。昨年の大会の記録を見てもやはり同じ14分だ。昨年は周囲全体にもっとスピードを出す人が多くて完全に雰囲気に飲み込まれたがそれに比べて今年は特別早い人だけはずっと先に行っているが周囲には意識する程の人はいなかった気がするのだが。しかし追い付いて来た女性だけは追い抜かれないような意識が働いたのだろうか、それだけでなくやはり1年間意識して来た大会だけあって無意識にも駆り立てるものがあったのだろう。最近新しく買ったPETZL(ペツル)のヘッドランプは今まで使って来た同じPETZL製のダブルランプと比べるとやや暗いが歩くには支障のない程度の明るさである。光源の色は白い3個の発光ダイオードが付けられ電池が単4を3本使うた製品であるので非常に小型で軽く気に入った。

 鉢伏山からも後ろから来る人を意識しながら歩く。しかし横尾山の登りあたりまで暫く追い越していく人は居なかった。横尾山までが1時間という一つの目標が今回は5:59分に着いている。今までの記録で59分台で達成したのは2〜3回あるだけである。60分台でもやはりやはり2〜3回しかない。明らかに自然に頑張り過ぎているのだろう。スタート地点で後ろに並んだ人の中で本当にスピードがある人達はそろそろいっぱい追い付いて来ても良さそうなものなのにと思っていたら馬の背を越えた辺りで予想通りの早い人がアップダウンを全てジョギングライクに駆け抜けていく中高年の男性がいた。
 東山からの下りの途中からようやく明るくなり始めたのでヘッドランプを外す。東山迄にで追い越された人を下りでは勢いがついてしまうので気が進まないが自然に2〜3人を追い抜いてしまう。妙法寺小学校のチェックポイントでは受付開始の6:30より僅かに早く到着できるかなと思っていたらチェックポイントでは人が並んでおらず、直ぐにチェック印を押してもらって通過する。

 よく考えるとスタート地点で腕時計のセイコーパルスグラフのスタートボタンを押すのが2分程遅れてしまったので時計の積算時間の表示が2分短く表示されているのだ。5時+積算時間=現在時間として読んでいたので6:30ぎりぎりに着いたつもりが実際は6:32ぎりぎりに着いたので誰も並んでいなかったのだ。

 ここまでオーバーペース気味に来たのに受付開始の6:30分に間に合わなかったのは残念だった。だから私より先にどのような人が何人いるのかをこの目で確かめたかったのができなかった。恐らく追い抜かれた人と追い越した人の数については数える程の余裕は無かったが、直感では8〜10番目くらいで通過したに違いないと思われる。高取山への登りにかかると何だか足が重い。調子の良い時のようにリズミカルには登れない。今まで少し無理しすぎたかなと実感として感じ始める。このスピードでは何人にも追い抜かれるなと思いながらもマイペースを心がけて着実に登る。やはり10人程に追い抜かれた。

 スピードが相当落ちているだろうと思っていたが時計を見ると約29分で高取山頂に着いており決して遅いスピードではなかったのだ。山頂からの下りは早朝登山の人も多いので遠慮しながらもスピードを出すが勢いがついて早く下っているというよりむしろやや走っているに近い感じで下ってしまう。

 鵯越駅への街中の登りでジョギングスタイルの20代後半から30代前半の若い5〜6人のグループに軽く追い越される。「あいつは調子が悪いと言いながら軽く先に走っていってしまった」とか「彼は月刊400Km走っている」とか「〇〇マラソンに出る」とか「おまえはマラソンでサブスリー」とか陸上の話しが聞こえて来る。本格的にトレーニングしている連中だ。そこそこのスピードで頑張っている内に次第に足の筋肉の疲労感が強くなって足が重くなり烏原辺りの平坦地でも走る余力が無くなる。菊水山の麓に近付くと異常に足が重くなる。これではとてもまともな登りはできないと思い始める。

 どんどん追い越されるだろう。仕方ない。しっかり道を譲ろうと観念する。登りにかかってバランスを崩してとふくらはぎの筋肉に力を加えるとふくらはぎの内側の一部の筋肉が吊り始める。それも順次両足共同じ所に起きる。また、両足の向こう臑も吊りはじめる。そこをカバーしようとする性もあってか両足の太ももの裏側までが吊る兆候が出てきたので非常にやばい。筋肉が吊るのは久し振りだ。やはり今の筋肉の鍛え方に対して無理をし過ぎていたのだ。最近まで暑かったのでチンタラ登山を続け過ぎた。これからは短くても良いからスピード登山と筋トレをしなければならない。

 何れにしても騙し騙し登るしかない。脛が吊りながら登る経験は何度かある。我慢しながら登り続ける。何人も追い抜かれる。たまに2〜3呼吸程度立ち止まって休む。結果的には菊水山頂まで53分もかかってしまった。山頂には30人程の人がいた。追い越された人も何人か休んでいるようだ。止まらず直ぐ下りにかかる。天王吊橋までは下りだからまだ筋肉的には持ったが鍋蓋山への登りはゆっくり一定したペースでしか登れない。途中でおにぎり休憩を取るが4〜5分くらいの休憩では筋肉疲労はとれない。鍋蓋山も騙し騙し登る。ここも29分もかかる。

 後は大龍寺のチェックポイントまで大部分下りだ。スピードは出ないがしっかり下る。受付開始が10:00なのに対して9:33に着く。先客は30人程いる。ここで27分も休める。これで少しは筋肉疲労を回復させたい。階段のスロープ側で腰を降ろしておにぎり・うめぼしを食べ、恒例の豚汁を300円で買って飲む。辺りの人は社会人山岳会の人が多いようだ。仲間内で山行やマラソン大会の話しをしている。皆も相当トレーニングしているようだ。

 受付は10:00きっちり始まる。市が原へは最初歩いていたが、途中から勢いがつく所は走り出す。筋肉疲労はまだまだ収まっておらず摩耶山の登りをどうしょうかと戸惑ってしまう。摩耶山も騙し騙し登るしかない。脛が吊りながら我慢しながら登り続ける。摩耶山では余り追い抜く人がいない。時々に2〜3呼吸程度立ち止まって休む。左足の大腿四頭筋がひびの入ったような痛みが発生する。ようやく摩耶山頂に着いた時は1時間18分もかかって11:29に着いた。

 恒例のホットレモンを4杯頂いて直ぐ出発する。これからはきつい登りはない。しかし足裏に厳しい道が続く。杣谷峠辺りから足裏の痛みが強くなって来る。足全体がボロボロだ。次のチェックポイントは神戸ゴルフ倶楽部手前だがアスファルトが多いので遠く感じる。足裏の人差し指と中指の付け根付近のクッションズフォーフィートを張った所が靴擦れできつくなり出した。六甲山ホテルで恒例のホットレモネードを無料で飲ませている。椅子に座って足を休ませながら熱いホットレモネードをゆっくり飲む。そこから5分も歩いた所の郵便局でも恒例の甘酒を置いていたので有り難く1杯頂いて歩きながら飲む。

 神戸ゴルフ倶楽部のチェックポイントに来ると12:45だ。:50人程先に座って並んでいる。このポイントはこの前通った時には無かったフェンスが張られておりフェンスの中で並ぶ。「ライトのチェックをするので準備しておくように」という表示があったが2時30分以降に通過する人が対象という事だ。受付開始まで15分あるので少し休める。後からも次々並んで来る。チェックの時には100人以上居たのではないだろうか。

 ここからも足裏に厳しい道が続く。相変わらず足裏の痛みが強い。足裏の人差し指と中指の付け根付近のクッションズフォーフィートを張った所がきつい。凌雲台を過ぎて下りで、できるだけ走る。なんとか12:45に東六甲分岐点にたどり着く。ここで行列が相変わらず50人程並んでいる。ガードレールに腰を掛けながら15分休める。休んでいる間に一般登山者が次々通過していく。下りで走る時に邪魔になる人がどんどん増えるいやな気分だ。

 13:00のチェックが始まっても手間取っているのか順番がなかなか回って来ない。やっと通過して山道に入ると足裏が非常に快適だ。今まで走る場合は遠慮気味に自然に勢いがつく所を中心にしか走らなかったが足の調子も良いのでこれからバンバン走ろうと思う。途中で何人も追い抜く。走っていると足音で結構気付かれるので道を譲ってもらえる。太平山登り口まではあっという間に感じる。太平山登り口からのアスファルト辺りから再び靴擦れがきつくなって来て、かなり痛い。我慢しながら塩尾寺を越えても可能な所は走り続ける。

 15:39に宝塚ゴールにやっと着く。受付待ちは20人程である。途中で大勢追い越したのでかなり前に来たようだ。受付まで50分もある。簡易三脚椅子を広げて座る。今日は予報では昼頃から小雨の確率が高かったが何とか最後まで降られずに済んだので助かった。受付待ちの列はどんどん増えていく。私が座った所は先頭から並んだ列が折り返して調度先頭の横に並んでいる格好になっている。先頭だけは若い青年のようだ。彼に周囲の人が色々問い掛けているのが聞こえて来る。彼に聞くと関西電力の菊本君という20歳の小柄な若者であった。初めて六甲全山縦走に出たそうでスポーツはサッカーをやっており、西脇工業高校の時に陸上で鍛えられたそうで10kmなら30分は堅いそうだ。マラソンは未だ出ていないが2時間30分の自信はあると言っていた。

 受付開始で立ち上がる時には暫く休んだ後なので足裏と筋肉が大変痛くて足を引きずるような不格好なざまになった。受付にたどり着くまでに人数を数えると私は25番目であった。足の調子が悪い中ではまずまずの位置である。今回の失敗は筋肉トレーニングの不足である。大会に絡む今までの記録を見直しておけば良かった。自分のペースを守れなかったのが原因なのは明らかだ。今まで何回となくスピード練習をしようと思っていたのに結局せずじまいで忘れていた。今日の筋肉痛は不断よりかなりきついので収まるのに日にちがかかるだろう。

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