奥駈けへのアクセス
修験道では「熊野本宮大社」から吉野までの北上コースが「順峯(じゅんぶ)」と言 っている。山頂や目印になる巨木や巨岩のある場所は、靡きと呼ばれ、そこで法螺貝を 鳴らし、般若心経などを唱える「靡(なびき)」といわれる75ケ所の行場が設けられている。 逆に吉野から熊野へ駆けるのを「逆峯(ぎゃくぶ)」と言って、2つのやり方がある。 大阪方面から「奥駈け」をしようとすると、まず「順峯」か「逆峯」かどちらにするかで あるが、下山口に車で迎えに来てくれる人がいない限り、日程上交通の便の把握が非常 に重要になる。特に、途中で奥駈けを断念するような場合はエスケープルートだけでなく、 本数が極端に少ない交通の状況もよく把握していないと、タクシーでも呼べない限り、バス 停でー晩ビバークするはめになる。 (タクシーに連絡が取れる手段はあるか、あるいは呼べても本当に山奥まで来てくれるか どうかは体験した事は無い。しかし、運に任せるヒッチハイクという手は残っている。 ヒッチハイクで地元の人に適当な所まで車に乗せてもらった経験が2回ある。) 吉野側からの出発あるいは帰りは交通の便は本数がそこそこあるので問題は無いが、 熊野側からの出発あるいは帰りの交通がポイントになる。時間に余裕の無い人にとっては 「大阪方面〜新宮・紀伊田辺(五條)〜熊野本宮大社」をどうこなすかである。 【順峯への出発アクセス】 熊野本宮大社が起点になるが、大阪方面からだと実質は新宮・紀伊田辺が出発点 になる。その日の内に「玉置神社」辺りまで行きたいところだが、出来るだけ朝早く新宮 あるいは紀伊田辺を出発しないと、なかなか辿り着けない。 新宮から熊野本宮大社まで「湯の峰温泉・本宮方面行」の「熊野交通のバス」 が出ており,有り難い事に、通学の関係もあって新宮を朝6時台からの運行がある。 この始発バスに絶妙のタイミングで朝6時前に新宮に着くJRバスが大阪(京都)から 新宮に向けて大阪が23:30発の「ルナメール号」があったが、残念ながら2002年3月 31日で廃止された。このバスは休日前になると、和歌山方面への釣り客で満席になる事 があったが、平日はガラガラだったので採算上仕方無く思えるが、朝、新宮を出発しようと すると大阪方面からの適当な鉄道やバスの便は全く無く、この「ルナメール号」が頼りで あった。非常に残念だ。 現在は、鉄道あるいはバスで熊野本宮大社に辿り着いてから、すぐ出発して、「玉置 神社」までのどこかでテントを張るか、熊野本宮大社付近の宿に泊まって、翌朝出発 するしか無い。(一番近いのが熊野本宮大社の瑞鳳殿で素泊まり3000円。TEL0735 -42-0009に要予約) このほか紀伊田辺から熊野本宮大社までの竜神バスもあるが、始発の6:25に乗り 8:13に本宮大社に到着しない限り中途半端である。しかし、大阪方面を午後に出発し、 本宮大社付近で宿泊して翌朝出発する場合はぴったりである。しかも新宮経由よりも交 通費も安い。(注)このルートで紀伊田辺からJRバスから竜神バスを乗り継ぐ場合は 紀伊田辺の竜神バス営業所で「通し券」を買っておけば、竜神バス1本で行くのと同じ 料金になる。(通し券を買わず別々に払うと、500円高い2500円になる。) JR五條駅から奈良交通の「新宮・湯の峰・十津川方面」行が10時台〜13時台 に1日3本出ており、新宮をまわらない方法も有力である。 熊野古道が世界遺産登録されてから、白浜空港から明光バスの特急バスという 新たなルートも出てきたので東京からは便利になった。 【逆峯から帰りのアクセス】 熊野本宮大社からの帰りとして6時台、8時台、10時台、13時台の1日4本の新宮行 きバスが出ている。遅くとも13過に熊野本宮大に着いていないと、新宮行きの最終バス には乗れない。という事は玉置神社辺りを当日朝出発しているようでは大抵の人は熊野 本宮大社には辿り着けない。熊野本宮大社に近付いた所でビバークする外にない。 例えば「七越峰」辺りに宿泊して、朝からゆっくり下山して来るという方法も考えられる。 このように、時間の無い人にとって昼過ぎまでに下山していなくては、その日の内に大阪 方面に帰れないという逆峰の問題がある。 熊野本宮大社から大阪方面に帰る別の方法として、「五条経由の八木行き」の 奈良交通のバスが朝の5時台、7時台、9時台の3本出ている。これに乗れば、大阪方 面に割安でのんびりしたバス旅で帰れる。 (参考1) 奈良交通バスルート図(奈良交通HPより) 吉野神宮駅より、 五條駅より、 新宮駅より (参考2) 時刻表 奈良交通バス別の時刻表1、竜神バス時刻表2
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